リーダーが泣いちゃった話と、それから

VSと15年目の告白を観て思ったこと。二番組混じってるので分かりにくいと思います、すみません。


私、この二つの番組を観るのがちょっと怖かったんですよね。VSは大野さんが泣いてる予告を観てしまったから。告白は二宮さんの腰のことを採り上げるみたいだったから。
つまり、私にとってはちょっと重い内容かもしれない、と思ったから。

私がアイドルを応援するのは、華やかな場所でキラキラしていて、たくさんのプラスのエネルギーをもらえるからというのが大きいです。時には気楽に茶の間で笑えて、時にはコンサートで泣くほど楽しんで、いつも前向きな気持ちにしてくれる。それが私にとってのアイドルの存在。
だから、彼ら•彼女らの苦悩とか迷いとか、そういうのを見るのはちょっとためらう。
いつも笑顔で輝いている人たちの裏側は、私が勝手に考えて勝手に感動することであって、本当に考えていることは出来れば知りたくないんです。

だって、それを知ってしまったら、アイドルを応援することは結果的に本人たちを苦しめているんじゃないかと思ってしまうから。
もちろんそれはアイドルに対して非常に失礼な考えだとも思います。でも、そうやって自分を悪者にして結局本質から逃げようとするずるい自分がいます。


でも、この二つの番組のおかげでちょっと考えが変わりました。


大野さんは事務所を辞めようと思っていて、でも10周年で尋常じゃなく祝われて我に返った。これ、じゃあ2006年〜2008年に大野さんを一生懸命応援していたファンって何だったんだろう、と思われても仕方ない発言かもしれません。
でもそれよりも、今その話をしようと思ってくれたことが嬉しかったです。過去を無かったことにせず、その葛藤があったからこそ試行錯誤した末の今があるということを伝えてくれてるんじゃないかなと思いました。

今、事あるごとに嵐はデビュー時の戸惑いを語ってきます。もうファンでもない知人ですら「これ何回話すの」って言ってるからちょっと控えた方がいい。それくらい話しています。
彼らは、「今このタイミングでこの話をする」ことを意識的に行っている気がする。
大野さんが泣きながら「こんなに恵まれてていいのか」と言ってましたが、本心なんだろうと思います。
それくらい五人は今が楽しくて、嵐を続けてきたこの15年間が正しかったと思ってくれてると、そう感じる二つの番組でした。


私が嵐を好きな理由はもうひとつあって、迷いながらつまずきながら、でも表では絶対に悲壮感を出さずに五人で楽しそうに、そうやって今まで走ってきたその不器用さが好きです。

二宮くんが腰を痛めた時、表舞台でもフォローしながらそれすら笑いにしていた翔くん。演出の変更もありながら、にのの代わりに着替えを真っ先に終えてステージに戻った松潤。演出の変更を嫌がるにのに対して、負担の少ない演出にしようとはっきりときっぱりと言い切った大野さん。裏でも表でもにのに近づかず、いつも通りの笑顔だった相葉くん。
そして何より、どれだけ痛くてもかっこよくかわいくちょっと憎たらしい、そんな表の自分を通したにの。

もっと簡単に、ばれないように、いろんなものを省くことはできたと思うんです。でも、みんなそれぞれに支え合いながら今できる全力を見せてくれる。結局にのは心配されてしまったけど、それを分かりながらいつもの二宮くんを五人全員が貫こうとしていたのが、私の好きな不器用な嵐でした。
大野さんがむかし言った、目の前にあるものを頑張るという言葉は、にのや松潤だけでなく五人全員の共通認識であるように思えました。


昔の葛藤を話してくれるのは、そんな時代でも応援してくれた人たちに感謝しているから、嘘をつかずに話してくれているんだと思います。
不器用でもまっすぐ走るのは、今いるファンのために、何より今を大切にしてくれているからだと思います。

デビューから今まで、どこかのタイミングで彼らを応援した人たちに対して一人残らず感謝してくれている嵐のとてつもない誠実さを感じました。


相葉くんが言った、「ゆっくりでも遠回りしても、 止まらないように五人で歩いて行けたら嬉しい」という言葉がとても嵐らしいなと思います。きっと嵐は、ここまで人気が出た理由を未だに理解していないんじゃないかと思います。今でもどこかもっと上を目指しているイメージがある。そうやって不器用で迷ったりするけど、いつまでも何かを探している嵐が、私にとっては終わらない夢みたいな存在です。


アイドルを好きになってから何度となく抱いた「好きでごめん」というなんとも言えない気持ちは、これからはあまり感じなくなる気がします。優しい嵐が好きで良かったです。